前の更新からずいぶん間があいてしまいました。
前号の「アイソン彗星」は太陽に近づきすぎてしまったのでしょうか。残念ながら消滅してしまいました。私自身も最接近後の姿を楽しみにしていたのですが...。
さて、今回は「DNA」についてです。最近週刊誌などで「DNA鑑定」が話題になっています。また刑事ドラマなどでも犯人を突き止めるために「DNA鑑定」が登場することがあります。では「DNA」とは何でしょう?
正式な名称は「デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)」といいます。親からさまざまな特徴を引き継ぐことを「遺伝」といいますね。「鼻がお父さんに似ているね」とか、「やさしいところはお母さんそっくり」とか言われたことがあると思います。見た目の形だけでなく、性格なども親から遺伝します。これを伝えるのが「DNA」です。
「DNA」は4種類の部品が、たくさん並んでできています。この並び方によって遺伝情報を伝えます。ですから、親子や兄弟では、この並び方がそっくりなのです。
もう少し詳しくすると、私たちの体は細胞という小さな部品からできていますが、筋肉をつくる細胞にも、神経の細胞にも、全身の設計図が入っています(第8号 「iPS細胞って?」参照)。これが親から子に伝えられることよって、さまざまな特徴(形質といいます)が遺伝します。この設計図が「DNA」で書いてあると考えるとわかりやすいと思います。これを調べることで、親子などの関係や、残された髪の毛などが本人のものかそうでないかがわかります。
地球上には数え切れないほどの生物が生活していますが、動物・植物を含めたそのほとんどの生物の設計図が「DNA」で作られているのです。このことは、生命の誕生から現在までの生物が、元をたどれば同じ設計図で作られたことを示しています。
長い目で見れば、人類どころか地球上の生物はみな親戚といえるかもしれませんね。
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