予定通り「春の植物」について、第2弾をお届けします。
春の草花の代名詞ともいえる「タンポポ」ですが、ふだん空き地や道ばたで目にするタンポポの多くは「帰化植物」であることをご存じでしょうか。日本には古来からカンサイタンポポやカントウタンポポ、シロバナタンポポ(その名の通り白い花を咲かせます)など数種類の固有種があります。しかし現在は固有種は多くなく、外来種であるセイヨウタンポポが勢力を強めているようです。
育つ環境などにも違いがあるようですが、黄色い花を咲かせるタンポポのうち、外来種であるセイヨウタンポポは、総苞と呼ばれる部分(花を支える「がく」にあたるところ)がそり返っていることで見分けられます。タンポポが咲いているのを見かけたら、ぜひ調べてみてください。
また、よく見かけるあのタンポポの花は、実はたくさんの花の集まりであることはご存じでしょうか。よく見るとわかりますが、元々5枚の花びらがひとつになっている小さな花が、円盤状にたくさん集まって、ひとつの花のように見えるのです。そのひとつひとつの花が、綿毛になり種をとばします。つまり、綿毛の数だけ花が集まっているということです。かなりたくさんの綿毛をとばすようですが、どれくらいの数か調べてみますと、150~200にもなるそうです。
1本のタンポポから200個も種をとばすと、あたり一面タンポポだらけになってしまいそうですが、そうならないのは、すべての種が芽を出すわけではないからですね。もしタンポポの数が全く変わらないとすると、1本のタンポポが飛ばす200個の綿毛から1本しか芽を出さないことになります。つまり生き残る確率は1/200ということですね。思ったより厳しいと感じませんか?
一見のどかなタンポポたちも、在来種と外来種の勢力争いや、1/200の生存をかけた厳しい競争の中で精一杯花を咲かせていると思うと、なんとなく応援したくなりますね。
「親子でサイエンス」もスタートからおよそ1年が経過しました。身近な科学ということから、どうしてもテーマが天文・気象や植物に偏りがちですので、もしリクエストがあればぜひお寄せ下さい。またその他ご意見もお待ちしています。
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