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身近な科学について解説します。月1回程度の更新を考えていますが、タイムリーな話題があれば、不定期に更新します。
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更新が遅くなりました。ちょうど9号から11号の3つの台風が接近しましたので、今度こそ台風についてお送りします。
今回の台風は、幸い3つとも東海地方への影響はなく、まっすぐ中国大陸へ抜けていってしまいました。まだ海沿いの地域には影響が残るかもしれませんので、お盆のお休みも近づきますが、海のレジャーにはお気をつけ下さい。
台風とは、「北西太平洋や南シナ海(赤道以北、東経180度以西100度以東)に存在する熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速が約17 m/s(34ノット、風力8)以上のもの」(wikipediaより抜粋)とあります。簡単に言えば、「熱帯低気圧」が発達したものです。南海上で発生する「熱帯低気圧」と日本付近で発生する「温帯低気圧」との違いは、また改めて説明します。
今回は、台風の進路について解説しましょう。今回の台風が本州に接近しなかったのも、実は理由があります。
時期にもよりますが、日本のはるか南海上で発生した台風は、まず北西に向かって進み、ちょうど日本に近づいたあたりで東寄りに進路を変え、日本列島を縦断することがあります。この大きく進路を変えるところを「転向点」といいますが、ここで進路を変えるのには、理由が2つあります。
1つは、赤道付近から日本の南地域の上空には「貿易風」とよばれる北東の風が吹いており、台風は、最初は「貿易風」によって東から西に向かいながら北上します。しかし、ちょうど日本にさしかかるあたりでは、上空の風が「偏西風」と呼ばれる西風に変わるため、台風も西へ進路を変えます。「貿易風」も「偏西風」も、地球規模で大気の循環を引き起こす、年間を通して一定方向に吹く風です。「転向点」を越えると台風が急速に速度を上げることが多いのは、「貿易風」に比べ、「偏西風」の方が速度が速いためです。
もう一つの原因は、この季節に日本を広くおおう「小笠原気団」です。「小笠原気団」は、「太平洋高気圧」ともよばれ、その通り高気圧です。天気図を見ると、この時期は日本の南東に中心を持つ高気圧が、張り出すように日本をおおっています。台風は低気圧ですので、高気圧に近づけません。そのため、ちょうど「小笠原気団」を回り込むように進路を取るため、最初に説明したような進路になります。
今頃のようなまだ夏の盛りでは、「小笠原気団」の影響が強く、今回の3つの台風のように本土に近づくことができないことが多いのですが、これから秋に近づくと、「小笠原気団」の勢力が弱まり南下するにつれ、日本を縦断する危険が高まります。
夏休みも半分近く過ぎました。宿題は順調に進んでいますか? 早めに宿題を終え、「夏休みの残りは楽しくすごそう!」と思っていたら、台風の襲来ということもあるかもしれませんね。台風の接近は前もってわかりますので、前もって飛ばされやすいものは片づけて置くなど充分な備えをしておき、近づいたらできるだけ外出は控えましょう。いっそのこと、夏休みの宿題の最後の仕上げに、台風を自由研究の題材にしてはいかがでしょうか。
今回の解説はここまでにします。台風に関しては「熱帯低気圧とは?」「台風の進路と影響」など、他にも題材がいくつかありますので、次回以降順に紹介します。