新コーナー 親子でサイエンス 第1号「金環日食を観察しよう」
塾長交代に伴い、「塾長のひとり言」は休止いたします。替わって、身近な科学について解説する「親子でサイエンス」をスタートします。月1回程度の更新を考えていますが、タイムリーな題材があれば、不定期で更新します。ぜひご家族でご覧下さい。
第1号は、「金環日食を観察しよう」です。
5月21日には、大変珍しい天文現象の「金環日食(金環食ともいいます)」が観察できます。「金環日食」は、原因は日食と同じで、地球から月と太陽が一直線に並び、太陽が月の背後になり欠けて見える現象です。月が太陽の一部をかくす場合が「部分日食」、太陽全体をかくす場合が「皆既日食」です。地球から観察した月の大きさが、太陽の見かけの大きさより大きいと、太陽は全部月にかくされます。この場合が「皆既日食」、太陽の見かけの大きさより月の大きさが小さいと、太陽が月のまわりからはみ出して輪のように見えた状態になります。これが「金環日食」です。
では、なぜ月の見かけの大きさが異なるのでしょうか。
月に限らず、天体はふつう円ではなく「だ円」軌道で大きな天体の周りを回っており、中心になる天体は、そのちょうど真ん中ではなく、片方にかたよっています。地球のまわりを回っている月も同じで、地球の周りをだ円軌道で回っているため、地球からの距離が近いときと遠いときがあるのです。当然、近いときは大きく、遠いと小さく見えるため、見かけの大きさが変わるのです。
5月5日から6日の月が「スーパームーン」とよばれる満月だったことをご存じでしょうか。この日の月は、地球に最も近づいた日と満月が重なり、最も小さく見える時にくらべ14%大きく、1.3倍の明るさだったそうです。
日食は新月の日に起こります。満月から新月が約2週間ですから、金環日食の日の月は、この「スーパームーン」のちょうど反対側、つまり地球から最も遠く、最も小さく見える月であることがわかります。そのため、太陽を全部かくすことができずに「金環」日食となるのです。
次に名古屋周辺で金環日食が見られるのは29年後の2041年、前回名古屋で金環日食が観察されたのはなんと932年前の1080年、平安時代のことだそうです!
今回の金環日食は、5月21日午前7時30分から33分頃、最大食は7時31分頃です。出川小学校の皆さんは、運動会の代休でお休みだそうですね。なんと粋な計らいでしょう。その他の学校の皆さんも、少し早起きして準備をすませ、登校前にぜひお父さん・お母さんと一緒に観察しましょう。
ただし、サングラスや色の濃いしたじきなどで観察してはいけません。明るさももちろんですが、目に有害な紫外線をカットしてくれないため、目を痛めるおそれがあります。必ず専用の日食メガネなどで観察して下さいね。
参考:名古屋市科学館ホームページ http://www.ncsm.city.nagoya.jp/
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