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今日は七夕です。それにちなんで、夏の夜空の星たちについてのお話です。
 「夏の大三角」という名前を聞いたことがあるでしょう。これからの季節にちょうど天頂(空のてっぺん)あたりに3つの1等星、はくちょう座の「デネブ」、わし座の「アルタイル」、こと座の「ベガ」が大きな三角形を作っています。実は、夏に観察できる1等星は多くはなく、逆にこの3つがよく目立ちます。ご存じのように、アルタイルは「彦星」。ベガ「がおりひめ星」とよばれ、七夕の主役です。はくちょう座は2人が「天の川」を渡るための橋になってくれています。
 しかし、私たちが1等星と呼んでいる星たちは、みんな同じように見えるわけではいません。まず同じ1等星でも明るさが違います。正確には、デネブは1.3等星、アルタイルは0.8等星、ベガはちょうど0.0等星です。
 なぜ「小数」で表されるのでしょう?
 最初、古代ギリシャ時代には1等星から6等星の6段階だけで分類されていました。もちろん、その当時に明るさを正確に計ることはできませんでしたから、「最も明るい星」たちを1等星、「肉眼で見える最も暗い星」たちを6等星と分類しました。その後19世紀になって、科学の進歩により星の明るさをきちんと測定できるようになりました。そうして比べてみると、1等星が6等星より100倍明るいことがわかったため、6等星から1等星まで5段階(等級)あがると100倍の明るさになるように、きちんと計算で求めることができるようになったのです。その結果、同じ1等星でも明るさの違いを、小数で細かく表すことができるようになりました。
 この方法だと、ちょうど1.0等星より明るい星は、等級が1より小さくなるだけでなく、マイナスも使って表すことになります。最も明るく見える星は、冬オリオン座の近くに見えるおおいぬ座の「シリウス」で、-1.5等星です。太陽はなんと-26.7等星ということになります。
 では、1等級明るくなると、何倍明るいのでしょうか。
 「5等級で100倍明るいんだから、100÷5=20倍?」
 いいえ、違います。5段階で100倍、つまりX×X×X×X×X=Xの5乗(Xを5回かけ算します)=100倍なので、X=約2.5倍です。電卓で2.5×2.5×2.5×2.5×2.5を計算してみましょう。97.65・・・倍になり、およそ100倍になることがわかります(詳しいとは、高校生になってから指数・対数の勉強をするとわかります!)。
 明るさの他にも、実は「色」も様々です。それについては、また別の機会に紹介します。
 残念ながら、七夕の時期は梅雨の真っ最中のため、星座の観察には不向きです。梅雨が明けたらぜひ「明るさの違い」にも注意して、星空を眺めてみてください。
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