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身近な科学について解説します。月1回程度の更新を考えていますが、タイムリーな話題があれば、不定期に更新します。
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台風16号が接近していますが、どうやら今回も東海地方には近づかなさそうです。例年ですと、この時期には台風が日本を縦断する様な経路を通り、東海地方にも少なからず影響があるのですが、今年は6月以降一度も接近することなく、シーズンを終えるかも知れません。そのせいで、関東・東北地方は深刻な水不足に陥っているようです。被害が心配な一方で、大切な天の恵みももたらしてくれることを思うと、複雑ですね。
今回は台風の進路と「可航半円・危険半円」について解説します。
前回の解説の通り、台風は日本付近を南西から北東方向に進みます。このとき、進行方向右側の方が左側より大きな被害が出ることが多くなります。この進行方向に向かって右側を「危険半円」、左側を「可航半円」と呼びます。
ご存じの通り、台風は大きな空気のうずです。中心の台風「目」に向かって、反時計回りに風が吹き込んでいます。そのため進路の右側では、風向きの方向に台風が進むため、台風の速度の分だけ風力を強めます。逆に進路の左側では、進行方向と風向きが逆になりその分風力が弱まります。
仮に台風の速度を36km/時とし、これを秒速に換算すると10m/秒となります。そのため進行方向右側「危険半円」では風速が10m/秒増すことになりますし、反対に左側「可航半円」では10m/秒弱くなります。中心付近の風速が30m/秒とすると、「危険半円」は風速40m/秒、「可航半円」では20m/秒になる計算です。すなわち、「危険半円」では「可航半円」の2倍強い風が吹いている事になるわけです。
台風進路の左側は航海可能ですが、右側は航海が危険ということです。
あの「伊勢湾台風」(昭和34年)は愛知県のすぐ西側を通過したので、愛知県西部が「危険半円」側となり南からの強い風が吹き、さらにそれが満潮時と重なったため大きな被害を受けました。
今後は、台風の勢力や進行方向だけでなく、どちら側を通過するかにも注目してみて下さい。お住まいの地域のすぐ西側を通過するときは、予報以上に注意をすることが必要です。もちろん「可航半円」だからといって安心はできません。いずれにしても、充分な備えをし、接近したら外出を控えて下さい。
次回は少し趣向を変えてお届けしようかと考えています。お楽しみに。