秋の行楽シーズンのまっただ中、衝撃のニュースが入ってきました。
私たち中部地方の住民には、たいへんなじみの深い「御嶽山(おんたけさん/標高3067m)」が突然噴火しました。今のところ、前ぶれらしき現象は特になく、予測は困難だったようです。日本が、この小さな国土に世界の活火山の7%が集中する「火山国」であることを改めて思い知らされます。
今回の噴火は「水蒸気噴火」である可能性が高いといわれています。「水蒸気噴火」とは、地下のマグマが直接噴出するのではなく、マグマの熱によって熱せられた地下水が、高温の水蒸気となって噴出する現象です。
ご存じの通り、水が熱せられると100℃で沸とうし、条件にもよりますが体積は1000倍以上になります。ところがマグマに熱せられた地下水は、地下に閉じこめられているため体積が大きくなることができません。その結果非常に高い圧力になり、それが岩盤の弱いところで一気に膨張して岩盤を突き破り、爆発し噴火するのです。
また今後注意が必要なのは、降り積もった火山灰が雨によって流される「土石流」の発生です。火山灰は、わかりやすくいえば溶岩の「しぶき」が冷えて固まったものです。ですから「灰」といっても細かな岩石の粒です。これが雨水に混ざると、とても大きな力でさまざまなものを押し流します。
水によって生じる「浮力」は、水中にある物体と同じ体積の水の重さの分だけはたらくので、水の重さが重ければ重いほど、それだけ浮力も大きくなります。真水より海水の方が体が浮くのもそのせいです。土石流は、大量の土砂を含むことで水の密度が増し、浮力が大きくなった分、大きなものも簡単に押し流してしまうのです。橋や建物が流されてしまうのはそのせいです。
今回の噴火で何人もの方が亡くなり、また依然安否の不明な方が多数あります。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、連絡がとれない方々が1日、いえ1分1秒でも早く無事に救出されることを心より願っています。
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